要 望 書

平成9年4月16日


日本移植者協議会
会長 大久保 通方
〒530 大阪市北区南森町2-3-20-502
TEL 06(362)0411 FAX 06(362)2068


 私達は、脳死を人の死としない臓器移植法案に強く反対します。

 昨年12月に提出された臓器移植法案では、「移植術に使用されるための臓器を、死体(脳死体を含む)から摘出することができる」となっていますが、3月に新たに対案として「死体又は脳死状態の身体からの摘出」と、脳死を人の死としないで臓器の提供が出来る法案が金田誠一議員等によって提出されました。
 二つの法案は、似かよっている様で脳死を人の死とするか否かで大きく違っております。
 移植を受ける患者は、脳死は人の死であり、亡くなった方から摘出した臓器であるゆえ提供が受けられるのであって、亡くなっていない即ち生きている人から摘出された臓器を受けるわけにはいきません。
 また、提供者の家族も本人が脳死での提供の意志を表明していたとしても、医師から「まだ脳死状態で生きていますが、臓器を摘出し提供しますか。そうされると死亡しますが、よろしいでしょうか」と問われて、提供を承諾する家族がいるでしょうか。
 臓器移植法案に反対される方々がたびたび「臓器移植は二つの命を秤にかけている」と指摘されますが、もし脳死が人の死でないのならば、脳死状態の患者と移植を待つ患者の二人の生きている命を秤にかけることになってしまいます。
 この様に、今回の対案は、移植を受ける患者や提供者の家族の心情を全く無視した法案であり、もしこの法案が成立すると日本において脳死者から提供を受けた臓器移植は一例も行われないでしょう。
 私達日本移植者協議会は、以上の点で今回提出された「脳死を人の死としない法案」に強く反対します。
 今も一日千秋の思いで日本での移植を待っている患者達の心情をおくみとりいただき、昨年12月、中山太郎議員等により提出されました臓器移植法案にご賛成いただきますようお願いいたします。